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家を売る時期で税金が変わる|所有期間5年・10年の数え方

文:イエミナ編集部公開

A symbolic representation of real estate finance featuring keys, model houses, and euro banknotes.

不動産会社と売り出しの時期を相談していて、「年が明けてから売れば、税金が半分くらいになります」と言われた。

家を売ったときの税金は、その家を何年持っていたかで税率が大きく変わります。しかも、年数の数え方は少し独特で、同じ家でも売る月が1か月違うだけで区分が変わることがあります。

この記事では、所有期間5年を境に税率が変わる仕組み、「売った年の1月1日」で数えるルール、実際の税額の差、10年を超えると使える軽減税率を順に整理します。

最後に、売る時期を決めるときの考え方と、ほかの期限との兼ね合いもまとめました。

所有期間5年で税率が変わる仕組み

家や土地を売って出た利益(譲渡所得)には、所得税と住民税がかかります。このとき、持っていた期間が5年を超えるかどうかで、「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」に分かれ、税率が違います。

区分所得税住民税合計(復興特別所得税を含む)
長期(5年超)15%5%20.315%
短期(5年以下)30%9%39.63%

短期の税率は長期のおよそ2倍です。利益が同じでも、持っていた期間によって手元に残る金額が大きく変わります。

所有期間は「売った年の1月1日」で数える

ここが間違えやすい点です。所有期間は、売った日までの年数ではありません。国税庁の説明では「譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるもの」が長期譲渡所得です。

たとえば2021年6月に買った家で考えてみます。

売った時期その年の1月1日の所有期間区分
2026年12月4年6か月短期(約39.63%)
2027年1月5年6か月長期(約20.315%)

2026年12月に売ると、実際には5年半持っていても短期になります。1か月ずらして2027年1月に売れば長期です。

買ってから「6年目の年明け以降」に売ると長期になる、と覚えておくと分かりやすいでしょう。

取得した日・売った日はいつか

取得した日と売った日は、原則として物件の引き渡しを受けた日(引き渡した日)です。売買契約の効力が生じた日を選べる場合もあります。

年末や年明けに引き渡しが重なるときは、どちらの日で数えるかで区分が変わることもあるので、税務署や税理士に確認しておきましょう。

相続や贈与で受け取った家

相続や贈与で受け取った家は、亡くなった方や贈与した方が取得した日から数えます。親が30年前に買った家を相続してすぐに売っても、多くの場合は長期になります。

税額はどれくらい違うのか

次の表は、課税される譲渡所得が1,000万円の場合の目安です。実際の金額とは異なります。

区分税額の目安
長期(20.315%)約203万円
短期(39.63%)約396万円

差は約193万円です。ただし、自分が住んでいた家なら、所有期間にかかわらず3,000万円特別控除を使える場合があります。

利益が3,000万円以下でこの特例を使えるなら、短期か長期かで税額は変わりません。年数の違いが効いてくるのは、特例を使えない家や、利益が3,000万円を超える場合です。

特例の条件は3,000万円特別控除の記事にまとめています。

Miniature houses, Euro bills, and calculator representing real estate investment.

10年を超えると使える軽減税率

住んでいた家を売る場合、売った年の1月1日時点で家と土地の所有期間がともに10年を超えていれば、「軽減税率の特例」も使えます。

課税される譲渡所得のうち6,000万円以下の部分は、所得税10%・住民税4%(復興特別所得税を含めて約14.21%)になります。6,000万円を超える部分は通常の長期の税率です。

この特例は3,000万円特別控除と重ねて使えます。注意したいのは「家と土地の両方が10年超」という条件です。

土地は20年前から持っていても、5年前に家を建て替えていれば、家の所有期間は5年なので対象外になります。

損が出たときの特例も「5年超」が条件

所有期間が関係するのは、利益が出たときだけではありません。

住んでいた家を売って損が出た場合、条件を満たせば、その損失を給与などほかの所得と差し引きし、引き切れない分を翌年以降3年間繰り越せる特例があります。

この特例も、売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていることが条件の一つです。

住宅ローンが残っていて、売っても損が出そうな場合も、年明けをまたぐかどうかで使える制度が変わります。

売る時期を決めるときの考え方

所有期間の境目が近いなら、年明けまで待つだけで税金が大きく下がることがあります。一方で、待っている間にも固定資産税や管理費はかかり、売れる価格が変わる可能性もあります。

税金の差だけで決めず、売却価格の見込みと合わせて比べることが大切です。

住み替えで前の家を売る場合は、もう一つの期限があります。3,000万円特別控除や軽減税率を使うには、住まなくなってから3年目の12月31日までに売る必要があります。

年明けを待った結果、こちらの期限を過ぎてしまっては意味がありません。二つの日付を並べて確認しておきましょう。

確認しておきたい三つの日付

売る時期を考えるときは、次の三つの日付を並べて見ると判断しやすくなります。

  • 家と土地を取得した日(売買契約書や登記の記録で確認できます)
  • 住まなくなった日(住み替えの場合)
  • 売る予定の日(引き渡しの予定日)

たとえば、2019年4月に買った家に住み、2024年に住み替えで引っ越した場合を考えます。

確認することこの例での日付
長期になる(5年超)2025年1月1日以降に売る
3,000万円特別控除などの期限2027年12月31日まで
10年超の軽減税率2030年1月1日以降でないと使えない

この例では、2025年から2027年の間に売れば、長期の税率と3,000万円特別控除を使えます。一方、10年超の軽減税率は、住まなくなってからの期限を過ぎてしまうので使えません。

このように、日付を並べると、どの特例をねらえるかがはっきりします。

よくある質問

年明けまで待ったほうが得ですか。

短期から長期に変わるなら、税金は大きく下がります。ただし、3,000万円特別控除で税金がかからない場合は、待っても税額は変わりません。まず特例が使えるかを確認しましょう。

相続した家の所有期間はいつから数えますか。

亡くなった方が取得した日から数えます。相続した日からではありません。

家を建て替えた場合、軽減税率は使えますか。

家と土地の所有期間がともに10年を超えている必要があります。建て替えてから10年以内なら、家の所有期間が足りず対象外です。

まとめ

家を売ったときの税率は、売った年の1月1日時点の所有期間で決まります。

5年以下なら約39.63%、5年超なら約20.315%、住んでいた家で家と土地がともに10年超なら、6,000万円以下の部分は約14.21%です。

年末と年明けで区分が変わることがあるので、売る時期を決める前に、取得した日と特例の期限を確かめておきましょう。

この記事は2026年10月時点の制度をもとにしています。税制は改正されることがあり、個別の状況によって取り扱いが異なります。具体的な判断は税務署や税理士にご確認ください。

イエミナの参考価格は、国土交通省・総務省のデータをもとにした目安です。実際の売却価格・賃料を保証するものではありません。

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