マンションを貸す前に確認すること|ローン・規約・契約

住宅ローンの返済中に住んでいたマンションを貸すには、原則として金融機関の承諾が必要です。
転勤や住み替えで部屋が空くと、売らずに貸そうと考える方は少なくありません。ただ、住んでいたときとは前提が変わる点がいくつかあります。
この記事では、マンションを貸す前に確認したいことを順にまとめました。金融機関への相談、住宅ローン控除の扱い、管理規約の確認、普通借家と定期借家の違いを説明します。
管理会社に任せるときの選び方と、家賃の目安の調べ方も紹介します。入居者が決まってから気づくと直しにくいことが多いので、募集を始める前に一つずつ確かめておくと安心です。
住宅ローンが残っているなら、まず金融機関に相談
住宅ローンは、借りた本人や家族が住むための家に向けた融資です。そのため、返済中に第三者へ貸すことは、多くの契約で認められていません。
無断で貸すと契約違反にあたり、残りのローンを一括で返すよう求められるおそれがあります。転勤などの事情があれば、届け出をしたうえで住宅ローンのまま貸すことを認める金融機関もあります。
投資用のローンへの借り換えを求められ、金利が上がることもあります。
扱いは金融機関や契約によって違います。貸すと決める前に、借りている金融機関に事情を伝えて確認してください。
住宅ローン控除は住んでいないと受けられない
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、その年の12月31日に自分が住んでいることが条件です。家を貸して自分が住まなくなると、その年から原則として控除は受けられません。
単身赴任で家族が住み続ける場合は、一定の要件のもとで控除を続けられることがあります。転勤などやむを得ない事情で家を離れた場合の仕組みもあります。
控除の期間内に再び住めば、残りの期間について控除を受け直せることがあります。ただし、事前の届け出や、戻った年に貸していないことなどの要件があります。
将来戻るつもりなら、家を出る前に税務署で手続きを確認しておくと確実です。
管理規約で貸すときのルールを確認する
分譲マンションでは、管理規約や使用細則に部屋を貸すときのルールが書かれています。
国土交通省のマンション標準管理規約では、貸す場合に入居者へ規約を守らせることや、入居者から誓約書を出してもらうことが定められています。
実際の規約はマンションごとに違うため、次の点を確認してください。
- 管理組合への届け出が必要か、どの書類を出すか
- ペットや楽器、リフォームの制限
- 住宅宿泊事業(民泊)を禁止しているか
- 駐車場や駐輪場を入居者が使えるか
貸している間も、管理費と修繕積立金は所有者が払います。総会の案内も所有者に届くので、郵便の送り先を管理会社に伝えておきましょう。

普通借家と定期借家のどちらで貸すか
賃貸借の契約には、普通借家契約と定期借家契約があります。どちらを選ぶかで、自分が戻りたいときに戻れるかが変わります。
| 項目 | 普通借家契約 | 定期借家契約 |
|---|---|---|
| 更新 | 原則として更新される | 更新はなく期間満了で終わる |
| 貸主から終わらせるとき | 正当な事由が必要 | 期間が終われば終了(再契約は合意があればできる) |
| 契約期間 | 1年未満にすると期間の定めがない契約とみなされる | 1年未満でも定められる |
| 契約の手続き | 口頭でも成り立つ | 書面(電磁的記録を含む)で契約し、更新がないことを事前に書面で説明する |
数年後に戻る予定があるなら、定期借家契約が向いています。期間が1年以上の場合は、期間満了の1年前から6か月前までに、契約が終わることを入居者へ通知する必要があります。
一方で、入居者は住める期間が限られるため、普通借家より家賃が低めになりやすいといわれます。戻る予定がなく長く貸したい場合は、普通借家契約も選択肢です。
管理会社に任せる範囲を決める
入居者の募集や家賃の集金、設備の故障への対応を自分で行うのは、遠方に住んでいると難しくなります。多くの方は賃貸管理会社に任せています。
任せ方は大きく分けて二つあります。
- 管理委託:所有者が入居者と契約し、管理の業務を会社に任せる。手数料は家賃の数%程度が多い
- サブリース:会社が部屋を借り上げ、入居者に又貸しする。空室でも決まった賃料が入るが、受け取る額は家賃より低くなる
管理委託では、手数料にどの業務が含まれるかを確かめてください。入居者の募集にかかる広告料や、更新の事務手数料が別にかかる会社もあります。
サブリースでは、賃料の見直しや契約の解約条件をよく確認してください。管理戸数が200戸以上の賃貸住宅管理業者は国への登録が必要なので、登録の有無も確認できます。
家賃の目安と毎月の収支を出してみる
家賃の目安は、同じマンションや近くの似た部屋の募集家賃から考えます。広さ、築年数、駅からの距離、階数が近いものを比べると、相場がつかみやすくなります。
家賃が決まったら、そこから引かれる費用を並べて手元に残る額を出してみます。次の表は考え方を示すための例です。
| 項目(例) | 月額 |
|---|---|
| 家賃収入 | 120,000円 |
| 管理費・修繕積立金 | −25,000円 |
| 管理会社への手数料(5%の場合) | −6,000円 |
| 固定資産税・都市計画税(年額を12で割った額) | −10,000円 |
| 住宅ローンの返済 | −80,000円 |
| 手元に残る額 | −1,000円 |
この例では、ローンの返済まで含めると毎月の収支はわずかに赤字です。家賃だけを見て決めず、引かれる費用まで並べて比べることが大切です。
このほかに、空室の期間や退去後の修繕、設備の交換の費用もかかります。家賃収入は不動産所得になるため、確定申告も必要です。
イエミナでは、郵便番号から参考価格を確認でき、その物件を探している不動産会社がいるかどうかも見られます。会社から連絡が来ることはなく、話をしたい会社を自分で選べます。
貸した場合の収支と売った場合の金額を並べて考えるときの材料になります。
よくある質問
金融機関に相談せずに貸すとどうなりますか?
契約違反として、残りのローンの一括返済を求められるおそれがあります。転勤などの事情があれば認められる場合もあるので、先に相談してください。
貸したあとに売るとき、3,000万円の特別控除は使えますか?
自分が住んでいた家を売るときの3,000万円の特別控除は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが要件の一つです。
長く貸すと使えなくなる可能性があります。
定期借家で貸すと、入居者は見つかりにくいですか?
住める期間が限られるため、普通借家より家賃を低めにすることが多いといわれます。期間や家賃の設定は、管理会社と相談して決めるとよいでしょう。
まとめ
マンションを貸す前には、住宅ローンの扱い、住宅ローン控除、管理規約の三つを先に確認します。そのうえで、戻る予定に合わせて普通借家か定期借家かを選びます。
管理会社に任せる範囲と家賃の目安が決まれば、毎月の収支が見えてきます。収支が合わない場合は、売ることも含めて比べてみてください。
この記事は2026年10月時点の制度をもとにしています。住宅ローンや税金の扱いは契約や状況によって異なります。個別の判断は専門家にご確認ください。
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